伴信太郎 著
ISBN 978-4-938866-39-6
A5判 163ページ
プライマリ・ケアを説明するの難しい。そのためか多くの誤解がある。プライマリ・ケアと救急は同じ? 基本的臨床能力とプライマリ・ケア能力は同じ? プライマリ・ケア医は何でも屋? など。これらの疑問に対する明確な答が本書にはある。プライマリ・ケアを語るために読んでおきたい1冊。
プライマリ・ケアとは何か/プライマリ・ケア医の活動/なぜ日本にはジェネラリストが少ないのか/column プライマリ・ケアの質
プライマリ・ケアの定義/プライマリ・ケアと高次医療/世界のプライマリ・ケア教育の動向と日本で求められているもの/プライマリ・ケアと救急医療/プライマリ・ケア能力と基本的臨床能力/細分化と総合
臨床能力とは/臨床能力マトリックス/今日の医学生が身につけている臨床能力/意識のおき方
臨床行為/臨床行為に影響する諸要素/病院の勤務医が陥りやすい錯覚/個人と場
プライマリ・ケア(医)の求められる知識/プライマリ・ケア(医)に求められる頭痛の知識/臨床疫学-プライマリ・ケアに必須な知識/問題志向の知識
医療面接の役割/よい医療面接が生む効果/プライマリ・ケア医と医療面接/医療面接の進め方とおのおのの段階でのポイント/医師のモデル・イメージ/根幹の臨床能力/column プライマリ・ケアをやるには病院での研修は不要か?
「基本的臨床能力」としての診察法-基本的身体診察法/プライマリ・ケア医に求められるプラスαの診察法/今,身体診察を
プライマリ・ケア医はどのような検査を必要と考えているか/プライマリ・ケア医にとっての必要性という観点/検査データの読み方の基本/検査能力の習得
仮設の設定/ヒューリスティックheuristic/仮設の修正/仮設の検証/疾患のメリハリ
プライマリ・ケアにおける心理・社会的問題/日本における心理・社会的側面へのアプローチの問題点/行動医学-心理・社会的問題への体系的アプローチ/社会的環境としての家族/健康問題のブラック・ボックス/column 四苦
基本的臨床能力としての倫理的判断能力/プライマリ・ケア医に求められる臨床能力としての倫理的判断能力/プライマリ・ケアと臨床倫理/プライマリ・ケアの視点
テクニカル・スキル/コミュニケーション・スキル/その他のスキル/技能の統合
プライマリ・ケア専門医に求められる診療態度/総合と態度
教育とは/教育/学習のプロセス/臨床医に求められる教育的役割/臨床における教育/学習のポイント/生涯教育/教育的かかわり
プライマリ・ケア医に求められる研究に関する態度とは/プライマリ・ケアにおける研究の現状/研究に果たす大学の総合診療部門の役割/なぜプライマリ・ケア研究が必要となってきたか/プライマリ・ケアでの真理
患者への一般的な心理的配慮/「身体疾患はない+心配状態である患者」への対応/「身体疾患あり+二次的な心理的反応の強い患者」への対応/よく遭遇する精神疾患への対応/生活の場でのメンタルヘルス
患者を発見する/“うつ”を有する患者への対処法/精神科医との併診・連携を/column スキー場で急斜面を経験した人は緩斜面が楽に滑れる
患者を発見する/アルコール問題を有する患者への対処法/アルコール問題の専門家との連携/プライマリ・ケアにおける未開拓の分野
再びプライマリ・ケアとは/教育で強調したいプライマリ・ケアの定義/基本的臨床能力とプライマリ・ケア能力とは違う/救急医療とプライマリ・ケアは違う/プライマリ・ケアの専門性を認識した教育を/column 大学とプライマリ・ケア1
卒前におけるプライマリ・ケア教育-世界の現状/日本におけるプライマリ・ケアの卒前教育/名古屋大学におけるプライマリ・ケアの卒前教育/卒後臨床研修におけるプライマリ・ケア教育/プライマリ・ケア専門医養成教育/プライマリ・ケアのための再研修(re-training)/良質なプライマリ・ケアのために/column 大学とプライマリ・ケア2
“総合する専門医(ジェネラリスト)”をめぐる誤解/プライマリ・ケアの発展のためにすべきこと/これから