永野 光 著
定価:2,200円(税込)
ISBN 978-4-938866-72-3
A5判 127ページ
診療所経営者にとって、"人(スタッフ)"の問題が「一番大変」という。世代の違い、専門家と非専門家の対立、なじみのない医療の慣習、不規則な終了時間、などなど理由はいろいろあるが、診療に集中したい経営者にとって人のマネジメントは頭痛の種。そんなトラブル相談をいろいろな施設から受けてきた著者が経営者と一緒に考え、ともに対応してきた経験を事例として具体的に紹介。
1.新人が現場経験の豊富な指導担当者を猛烈批判
(定着させたい意識の若手も指導者に加えた)
2.年上で医療経験者の新人に先輩スタッフが気後れ
(新人・先輩それぞれ個別に働きかけた)
3.メモも取らずに何度も同じことを聞いてくる新人
(教えられ上手を目指してもらうことに)
4.備品の故障を知っているのに放ったらかし
(点検を定期業務にするしかない)
5.事の重大性を考えずただただ言われたままに行動
(どう行動すべきかをフィードバック)
6.スタッフがカルテに差別的な内容を記述
(傷つけないように配慮し問題点を伝えた)
7.院長宛の親展郵便を勝手に開封して放置
(知らないことは教えるしかない)
8.診療報酬改定準備に関心がなさすぎるスタッフ
(改定時にやるべきタスクリストを用意した)
9.毎年同じことなのに連休の休診準備が今回も不完全
(チェックリストを用意して輪番制に)
10.院内DX化に理由を挙げていちいち反対
(スタッフの懸念を聴き選定段階から参加)
11.院長の急病で臨時休診 スタッフだけの対応が心配
(スタッフの本心を知ってチームづくりに活かす)
12.電話をうまく避ける人がいて業務量に偏り
(持ち場を細分化してローテーション)
13.発熱外来の対応でスタッフから苦情の連続
(みんなが納得できるよう問題解決会議を開いた)
14.先輩スタッフの陰口で新人が定着しないのではと心配
(先輩と新人の関係づくりのための働きかけ)
15.患者さんが途切れるとおしゃべりに夢中
(スタッフと相談して「手すきリスト」を作成)
16.仕事を抱え込み過ぎていっぱいいっぱいのスタッフ
(どこに問題があるのか聴き取り対策を考えた)
17.転職看護師が入職3日目でもどかしい思いに直面
(経験者だからこそのフォローをすることに)
18.気立てが良かったスタッフに現れたブラックな裏の顔
(院長/院長夫人も知らないことが多々あった)
19.集中すると周りが見えないのでミスが心配
(医療安全としてミス防止のシステムづくり)
20.機嫌の浮き沈みが激しくて雰囲気を暗くするスタッフ
(一人の言動でも影響が大きいと伝える)
21.面接では好印象だったのに実務の態度にがっかり
(面接で苦手な人や事をどう乗り越えてきたのかを質問)
22.コロナ禍以後簡単に理由を見つけてすぐ休むスタッフ
(人によりポテンシャルに合った働き方を)
23.収益に貢献している自負から特別扱いを求めるPT
(専門以外の業務にも目を向けてもらう工夫を)
24.院長が頼みとする看護師が実は他職種には高圧的
(コンタクトを増やしフィードバックを続けた)
25.スタッフたちにことごとく反発された院長夫人
(残炎ながらいったん現場から離れることに)
26.収益向上のため予約枠増にスタッフは猛反対
(譲るわけにはいかなので覚悟を決めた)
27.「思ったより大変」と入職直後にあっさり離職
(採用前に入職ガイダンス+オリエンテーションを)
28.家庭の事情により在職1年ほどでやむなく退職
(家族の状況も理解し変則労働を取り入れた)
29.同時期に退職希望が相次いでひどく落ち込み
(心の癒しをプロに頼って割り切りも大事に)
30.スタッフから「辞めます」と宣言されるたびに自信喪失
(「退職ガイダンス」を用意して気楽に話し合い)